2018/6/1
しゃべれるほうが、変。伊藤亜紗『どもる体』(医学書院)刊行記念トークイベント 予習ゼロでもOKなゼミ!
楽に話せば連発だ。意志を通せば難発だ。言い換えすれば自分じゃない。リズムに乗れば乗っ取られる。とかくしゃべりは窮屈だ。――夏目漱石がこう言ったかどうかは知りませんが、「しゃべる」というのは、とにかく複雑な身体運動です。むしろその複雑さに気づかないからこそ、人はへらへらと平気な顔でしゃべれるだけなのかもしれません。
連発とは「たたたたたまご」のように同じ言葉を繰り返してしまう、いわばバグ。難発とはそれを避けようとして声自体が出なくなる、つまりフリーズです。しかし不思議なことに、そんな人でも、歌をうたっているときは100%どもりません。俳優の口調を真似をするとどもらない、という人もいます。でも、それはなぜ?あるいは発話の寸前に言い換える人もいます(類語辞典系と国語辞典系の言い換えがあるそう)。しかし、事前に準備していては効果はありません。でも、それはなぜ?
こんな一筋縄では行かない吃音の「謎」に、従来の医学的アプローチや心理的アプローチとはまったく違うところから迫ったのが、ケアをひらくシリーズの最新刊『どもる体』です(5月末刊行予定)。やろうとするとできない。原因と対処が循環している。徹底した身体二元論でないと謎に迫れない――吃音的身体を考えていくと、何かとんでもないところへ所へ連れて行ってくれそうではありませんか。
このイベントでは、『どもる体』を刊行したばかりの伊藤亜紗さんと行う少人数ゼミのような趣きで、言葉と身体の不思議な関係に楽しく迫ってみたいと思います。なおイベントの日は刊行直後ですので、予習ゼロでOKです!
(『どもる体』編集担当;白石正明)
- 伊藤亜紗(いとう・あさ)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学。もともと生物学者を目指していたが,大学 3 年次より文転。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。主な著作に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、など。
趣味はテープ起こし。インタビュー時には気づかなかった声の肌理や感情の動きが伝わってきてゾクゾクするそうです。
- 開催日
- 2018年6月1日(金)
- 時間
- 19時30分スタート/21時頃終了予定 *イベント当日、お店は18時にてクローズ致します
- 会場
- Title 1階特設スペース
- 参加費
- 1000円+1ドリンク500円
- 定員
- 25名
- お申し込み
手順1:メールの件名にイベント名、メール本文にお名前(氏名)/電話番号/枚数(1人2枚まで)を明記して、以下のアドレスに送信ください。
手順2:「予約完了」の返信をいたします。(メールの受信設定にご注意ください)。
手順3:参加費は当日会場受付でのお支払いとなります。
お申し込み・ご予約は定員に達し次第締め切らせていただきます