「なぜ自分の家族の作品を作るのか？」

写真家木村肇の写真とインタビューで、木村の作品制作の背景をたどった書籍「嘘の家族」の刊行を記念して、写真展を開催します。早くに亡くなった両親の存在を隠し続けてきた作家が、実家の部屋をギャラリースペースに再現し、嘘か本当か、曖昧な家族の記憶を行き来するような作品を展示します。

「嘘の家族」の展示と書籍を行き来しながら、木村肇が作り出す世界をご堪能ください。

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■koe project＃01木村肇「嘘の家族」（Three Books出版）

『僕、家族が亡くなったっていうことを、ある時まで人に言ってなかったんです。偽りの家族っていうか、亡くなったにもかかわらず、さも居るように話してた時があって…自分でもわかんないんですけど、多分母親とか父親の影響があるんじゃなかって思ってて。』

​木村肇

これまで熊狩猟を生業とする「マタギ」や、競走馬、限界集落など、日本社会の中であまり知られていない、もしくは忘れられている事柄や存在に目を向け、力強く詩的なモノクロ写真で作品を制作・発表してきた木村肇。彼が近年焦点をあてたのは、自分の家族だった。タイトル「嘘の家族」の通り、自身の家族に対して強烈な感情を抱いていたにも関わらず、なぜその家族の作品を制作し始めたのか。彼が「家族」というものをどのように考え、捉えているのか。美しく詩的な写真作品とインタビューで紐解きながら構成した一冊。

＊展示初日、トークイベントを行います。詳しくはこちら