2025/4/5 - 2025/4/22
大江満雄展—書肆侃侃房『大江満雄セレクション』刊行記念

大江満雄(1906-91)は、異なる思想を持つさまざまな人たちと共にありたいという「他者志向」をもち、かれらといかに理解し合えるか、生涯をかけて模索した詩人です。その対話の詩学は、いまも私たちに多くの示唆を与えてくれます。
Titleでは、書肆侃侃房『大江満雄セレクション』刊行に伴い、著作をはじめ、初公開となる遺品や自筆資料、写真などを紹介する大江満雄展を開催します。
貴重な遺品や私信に加え、大江が晩年「風の森」と名付けて、終の棲家とした家の写真パネルなども展示。本書収録の詩や散文もご紹介します。
なお会場では、本書の編者でもあります、国立ハンセン病資料館学芸員の木村哲也さんによる選書フェアも同時開催します。ぜひご来場いただき、その詩学に触れてください。なかば忘れられてきた詩人の魅力を再発見する機会となれば幸いです。
*会期前日の4月4日の夜、木村哲也さんのトークイベントを開催します。詳しくはこちらをご覧ください。
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- 大江満雄(おおえ・みつお)
1906 年高知県生まれ。詩人。10 代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。詩集に『血の花が開くとき』(1928 年)、『日本海流』(1943年)、『海峡』(1954 年)、『機械の呼吸』(1955 年)、『自選詩集 地球民のうた』(1987 年)。その他、ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991 年心不全により死去。享年85。没後、『大江満雄集―詩と評論』(思想の科学社、1996 年)が刊行された。
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- 木村哲也(きむら・てつや)/展示協力
1971 年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023 年に企画展「ハンセン病文学の新生面 「いのちの芽」の詩人たち」担当。大江満雄編『詩集 いのちの芽』(岩波文庫、2024 年)解説を執筆。著書に『『忘れられた日本人』の舞台を旅する― 宮本常一の軌跡』(河出文庫、2024 年)、『来者の群像― 大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち』(編集室水平線、2017 年)、編著に『内にある声と遠い声―鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024 年)など。
- 開催日
- 2025年4月5日(土)ー 2025年4月22日(火)
- 時間
- 12:00 - 19:30(日曜日は19時まで) 水曜、第一・第三火曜定休日 *最終日4月22日(火)は17時に閉場します
- 会場
Title2階ギャラリー